お正月と版画

あけましておめでとうございます

 

皆さんは「新年会」に行かれましたか?

私は昨日、知人のアーティストが主催する「新年会」に行って来ました。

そこで、こんな画集を譲っていただきました。

 

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泉 茂(いずみ・しげる)は、大阪で活躍していた版画家。

■堺市のウェブサイト

泉茂の詳細 - 作家詳細情報 - 徳島県立近代美術館

 

画集に書いてある経歴を見ていると、

テクニックは懇意にしていたアーティストと手紙をやりとりしながら学び、

道具は身の回りにあるものを工夫して加工して、制作をしているようです。

全部ネットで調べてしまう私からすれば、すごい!

 

版画とひとことで言っても「技法」はいろいろあります。

その「技法」は、「版」と呼ばれる土台のようなものによって違います。

皆さんの中でも、小学校のときに木を「版」にして、木版画を刷ったかもしれません。

泉は、銅の板を「版」にした「銅版画」、

絹の布地の布目を「版」にした「シルクスクリーン」といった技法を用いています。

他にも石を「版」にした「石版画(リトグラフ)」もしていました。

 

絵を描くとき、赤や青といった色に分かれた絵具を筆につけますよね。

版画で色を多くつかいたい場合、色ごとに版を分けます。

富士山を版画で表現したいとき、

輪郭の黒い版、雪が積もっている白い版、山部分の青い版、

というように分けるのです。

 

逆に言えば、版を分けても、同じ部分に重ねると、

色が重なり、その部分は盛り上がって見えるようになります。

 

また、「一点モノ」だと思われがちなアート作品ですが、

版画をつかうと「同じ絵柄」のものが複数つくることができます。

コピー機でコピーをしたり、パソコンでコピペするような感じです。

 

こうした発想は、今や版画は版をつくって紙に刷る“だけではなく”、

立体(彫刻)、写真、映像などの作品にも応用されています。

もっとも、版画を学んでいる人たちは、いろんな技法を知っている、

つまり「器用」なのですが。

 

本題に戻り、この泉 茂の画集は1989年に出版されたものです。

バブル期だとはいえ、今では見ないくらい大きなサイズ。

「あとがき」によると、2000点にもおよぶ作品の中から200点が掲載されているそう。

しかも中に、ホンモノの版画が2枚も入っていました。

ゆっくり眺めながら、

テクニックなど自分で考えたり工夫をすること、

版画はこうだ!あれはああだ!と決めつけないで柔軟に物事をとらえること。

お正月というゆっくりした時間だからこそ、

改めて泉 茂というアーティスト、版画のことなどを想っています。

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